緊急事態発生!羽田に向かわず香港へ引き返す?英語初心者夫婦はどうなる?

2024年1月2日に起きた羽田空港での飛行機事故で、香港空港へ引き返した様子と、その後のキャセイパシフィックの対応の全てをまとめました。

目次

気がつけば進路が逆転?香港に向かう飛行機

キャセイパシフィック航空でベトナムへ!人生初ビジネスクラス搭乗!】でも少し触れましたが、2024年1月2日に発生した羽田空港での事故によって、たくさんの飛行機が離着陸できない状態となりました。
私たち夫婦が搭乗していた便も同じく、気が付いた時には進路が逆方向を向いていました。

機内が少し慌ただしいなと感じたのは、食事やドリンクの提供が終わり、食事のお盆が全て片付けられてからでした。
しばらくは映画を見たり、眠ったり、それぞれ時間を過ごしていたのですが、ふと気がつくと客室乗務員の方々が慌ただしく通路を行き来していました。食事などの提供が終わると、呼ばれない限りはカーテンの奥にいる客室乗務員の方々がこんなにも行き来するのはおかしいなと思うところですが、旅の疲れと元日に起きた日本の震災の詳しい状況を心配していたため、この状況をおかしいと思ったのは、だいぶ後になってからでした。

そろそろどの辺りまで進んだかな?と、ディスプレイの運行状況を確認したところ、驚くべき状況が写し出されていました。
香港空港から真っ直ぐに日本の羽田空港に向かっていたはずの飛行機は、なぜか頭を逆さまに向けて台北の方へと折り返しているのです。

2024年1月2日のCX542便の進路

羽田空港へと向かっていたはずが、台北へと向けて真っ直ぐに飛んでいます。
どうして台北に向かっているのか全く状況が理解できませんでした。運行状況をよく見てみると、進路は香港空港となっています。

ここで予想したのは、2つです。
着陸地に何かあって、着陸できずに引き返している。
この飛行機にトラブルがあって、引き返している。

周りを見てみると、寝ている人はほとんどいませんでした。中国語を話せる方は客室乗務員さんと何やら長々と会話しています。何度も呼び出しては会話をしていました。
他の方々もスマホを手に、何やら情報チェックしていましたが、私たち夫婦はこの時点でWi-Fi環境がないため、何の情報も掴めないまま、理由もわからず進路変更している状態です。

状況確認ができない!英語初心者夫婦の末路

夫も私も英語がほとんどわかりません。こういう時、共通する言語は英語しかないのですが、その肝心の英語で説明されても、私たち夫婦は正確に聞き取ることができないのです。
難しい単語を避けて、子どもでもわかるような単語で話してもらえたら、理解できる可能性はあるのですが…単語をどこまで知っているかなんて伝えようもなく、周りを見ているしかありませんでした。

でも、そこは小心者な妻。行動力だけはなぜかある性格をしていて、我慢が限界まで達すると、結果を考えずに行動に出ます。
今回も「周りの状況を知りたい!」と我慢の限界に達し、客室乗務員さんが近くに来た際に呼び止めさせていただきました。

妻(;>△<)「あの、どうして香港空港に戻っているのでしょうか?」
咄嗟の出来事で、思わず日本語で話していました。英語で何て言えば通じるか、頭の中で考えていたのですが、口から出たのは日本語…。
でも、客室乗務員の方はカタコトの日本語で返してくれました!
客室乗務員(`・ω・)「はい。少し待っていてください」
妻(  ゜д゚)ビックリするくらい日本語上手〜…
客室乗務員さんは席を離れて、別の席の乗客に声をかけているようでした。すると、その方と一緒に私の席までやって来てくれたんです。
乗客の男性( ´・ω・)「私も英語が少ししかわからないのですが…。今、羽田で事故があったらしく、この飛行機は香港空港に戻るようです。空港に戻ってからチケットが手配されるようです。細かいことは乗務員の方もまだわからないらしくて…」
と、日本語で説明してくださったんです!
この乗客の方にも、対応してくださった客室乗務員の方にも本当に助けられました!

これで事態が何とかわかり、あとは香港空港に着陸してからどうなるか?という事態へと発展しました。
今まで、数少ない飛行機旅行では遅延などのトラブルが一切発生しなかったため、このような振替輸送に対して、どのような手続きが必要なのか全くの未経験です。

私は小心者なので、あらゆる情報を事前に知っておきたい性格なので、名だたる旅行系YouTuberさんたちの動画から、こうしたトラブルの動画も見ていました。
でも、航空会社の対応ってその場その場で大きく変わるし、トラブルの内容によっては対応がどうなるのか、実際にやってみないことにはわかりません。

※私が海外でいつも使用している翻訳アプリは、電波がない環境では翻訳できないため、機内では使えませんでした。
こういう時、電波を必要とせず翻訳できる機械があると、安心か…それよりも自分の英語力を高めた方がより安心ですね。

香港空港へ着陸!これからどうなる?

香港空港へ着陸すると、誰もが急いで荷物を取り出し、移動に備えていました。
出入り口は開きましたが、外からスーツ姿の誰かが乗り込み、客室乗務員さんと何やら会話しています。
おそらくキャセイパシフィックの関係者の方だと思われます。今後の対応を客室乗務員さんに知らせていたのでしょう。

会話が終わると、客室乗務員さんが声高らかに説明をしてくれました。もちろん英語です。
その説明はほとんどの部分がわかりませんでしたが、何度か繰り返された単語があります。それは、「E2」です。

「E2」が意味するものは、ゲート番号かフロアや空港内の場所を示す呼び名だとイメージできました。おそらくそこまで行けば次の指示があるのだと理解し、一目散に飛行機を駆け出します。
すると、出口付近で後ろから「日本人ですか?」と声をかけてくださった女性がいました。

この方も同じく日本人で、英語は多少わかるようでしたが、正確にはわからなかったため、隣の席にいた方に説明を求めたところ、その方が日本語と英語を両方理解できる方で、これから一緒に行動しましょう!となったようです。
英語も日本語もできる方と一緒とは心強く、私たち夫婦も同行させていただくことにしました。
この時、本当にお声がけいただいて、本当に本当に助かりました。本当にありがとうございます!

飛行機を出ると、キャセイパシフィックの関係者たちが列をなして、「E2!」と誘導しながら、行く方向を示してくれていました。
これなら、英語がわからなくても行く方向に間違いはありません!
けれど、行く先が明確ではないのに到着ゲートは長いのが難点です。どこへ向かえばいいのか不安な時、ただ真っ直ぐな通路でも「間違ってないかな?」と不安になりますもんね。

私たち夫婦は同行している方々から離れないように、必死で早歩きで着いて行きました。周りには、後から降りた乗客が走ってE2を目指しています。
ここで英語と日本語が両方わかる方から、こんなお話を耳にしました。

航空会社によって、こういうトラブル時の対応は異なるけれども、大手といえども手配できるチケットには限りがある。
できるだけ希望に近いチケットを取得するには、早くチケットカウンターに行かなくてはならない。

ということだそうです。
おそらく、キャセイパシフィック航空は他の運行便に乗客を振り分け直すつもりのようです。もちろん年末年始の長期休暇のため、ほとんどの便が満席に近い状態で運行しているはず。
その中から、自分たちの希望に近い飛行機のチケットが取得できれば幸運ということのようですね。

けれど、まだこの時の私は「希望に近い飛行機のチケット」の本当の意味がわかっていませんでした。
「E2」では、想像した以上のチケット争奪戦が繰り広げられることになります。

トランスファーデスクでチケット発券!

客室乗務員さんから案内のあった「E2」とは、トランスファー(乗り継ぎ)の入り口付近にある臨時カウンターの呼び名でした。
飛行機を降りたところから、頭上の案内看板に「E2」と記載があったのが見えました。

このトランスファーカウンターは、搭乗クラス別に列が振り分けられます。ファースト・ビジネス・エコノミーです。キャセイパシフィックだけのカウンターなのかもしれませんが、他にも到着した運行便があったようで、どんどん人が押し寄せ、列は見る間に長く伸びて行きました。

ここで、キャセイパシフィックの係の方が大きな声で「キャンセル」と叫んでいます。何やら他にも説明があるのですが、英語が全く聞き取れませんでした。
英語がわかる方が説明してくださった内容では、「キャンセルもできますよ」と呼びかけていたようです。キャセイパシフィックも全ての乗客に対して振替ができるとは思っていないのでしょう、とも。
これは急いでチケットを取得せねば、日本への帰国がいつになるかわからなくなってしまうのでは?と恐ろしくなりました。

他の運行便に振り分けられたチケットを取得するだけと思いきや、なかなか列は前に進みません。最初に並んだ方々の手続きが全然終わらないのです。
どうしてか理由は定かではありませんが、おそらくは本人が希望するチケットが見つからないため、手間取っているのかと思われます。

チケットカウンターに並んで30分ほどが過ぎた頃、ようやく私たち夫婦の順番が巡って来ました!
カウンターにいたスタッフさんに、パスポート・ここまでのチケット・受託荷物のチケットを夫婦分渡しました。その際に何か聞かれたのですが、とりあえず最初は希望だろうと思い、「羽田エアポート」とだけ伝えました。

それで正解だったようで、スタッフの方は羽田空港へ着陸する便の確認をしてくださいましたが、これまでの方も同様だったように、羽田空港行きの便がないと言われました。
(この時、通訳をしてくださっていた方もチケット取得中だったため、夫婦だけの英語力で乗り切っています)

私たち夫婦は、カウンターに並んだ際に希望の優先順位をつけておきました。
第一希望は羽田空港、第二希望は成田空港、第三希望はもう日本の本州ならどこでもといった感じです。先に希望を決めておけば、スタッフさんからの提案にすぐYESかNOを出せます。

夫婦で希望を決めていたため、羽田空港行きがないとわかると、スタッフさんから提案された当日深夜出発の成田空港行きの便への振替で了承しました。
ただ…これまではビジネスクラスだったのですが、席数の都合でプレミアムエコノミー席しか空いていないと言われて…

できればビジネスクラスの方が、ゆったり座っていられるので、ビジネスクラスに乗りたいのは山々ですが、空席待ちをしているわけにはいきません。
なぜなら、私たちの後ろに並ぶ全員が、同じ席を奪い合うライバルなのですから!
早めにチケットを取得しなければ、いつの便で日本に帰れるかわかりません。

キャセイパシフィック航空のチケット

プレミアムエコノミー席で了承し、どうにかチケットを取得することに成功しました。
飛行機からここまで同行していた方々は、それぞれチケットを取得することに成功し、ここでお別れとなりました。

声をかけてくださった女性の方、通訳をしてくださった男性の方。
本当にたくさんの方々に助けられました。自分のことでも精一杯という状況の中で、助け合おうとしてくださったたくさんの方々に、心からの感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

乗り継ぎ待ちのラウンジ利用

キャセイパシフィック航空から、日本へのチケットとともに香港空港のラウンジ利用券が渡されました。シャワーは使えませんが、3つあるラウンジから好きな場所を使えます。
この時点で時刻は夜22時。振替られた便は深夜1時の出発です。それまで長い滞在となるため、ラウンジ利用はありがたいサービスでした。

急な振り分けだったせいか、運行する便の搭乗口が印字されていないチケットが発券されました。そのため、搭乗ゲートは各自でチェックしてほしいとのこと。(スタッフさんのジェスチャーで何となく、そう伝えているのだと感じました)

空港内にある搭乗ゲート案内のディスプレイには、まだ深夜1時以降の便は表示されていません。とりあえず、どのラウンジを利用するか迷ったのですが、香港空港はとっても広いんです。中で電車移動もあるので、あまり遠くへ行くのは怖いなと思い、1番近かった2番ゲート付近の「ザ・ウィング」へ行くことに。
席のほとんどは深夜便の待合で埋まっていました。どうにか空いている席を見つけて、夫と座り込んで、やっとひと息つけました。

ソファーの足元にBFタイプのコンセントがあったのですが、変換プラグは受託荷物の中…
手荷物にはiPhone用の充電ケーブルしかなかったので、とりあえず差し込んでみようと思ったのですが、横幅が足りずコンセントに差し込めませんでした…
ソファーに座って休憩できるだけでも有難い状況なので、スマホの電池が切れてしまわないよう節約しつつ、搭乗ゲートが決まるまでラウンジでぼんやりと待つことにしました。

海外では、日本のニュース映像って受信できないようになっているんですね。
文字情報はいつもどおりに読めるのですが、ニュース記事に添付している映像は日本国内の電波を受信していないと再生できないとエラーメッセージが表示されて、映像情報だけは見れませんでした。

Wi-Fi環境があるところでならば、YouTubeは見れますが、最近はフェイクニュースが進化してきているので、焦っている状況では何が嘘かを見極めるのに苦労するなと思い、余計なニュース検索をやめていました。
こういう時、不安を募らせるだけのフェイクニュースって本当に腹が立ちますね。自分の知らない間に、大切な人たちの安否さえも確認できない状態だというのに、さらに不安を募らせるような内容しかSNSでは確認できないなんて…

深夜便で成田空港へ!

どうにか無事に、深夜1時25分発の香港空港〜成田空港のキャセイパシフィックに搭乗することができました!
やはり、羽田空港の事故の影響が大きく、すぐに羽田空港行きの便は手配できなかったようです。機内では、トランスファーカウンターで見た乗客がちらほら乗っていました。おそらくこの深夜便が、最も早い日本到着便なのかもしれません。

突然の深夜便振替だったため、夫と席が離れても仕方がないと思っていましたが、運よく隣同士の席を手配していただけました。
しかも、プレミアムエコノミー席の最後尾。疲れ果てた体を席に埋めていると、「夜食」の時間帯のはずの食事メニューは、思いの外しっかりしたディナーメニューでした。

いつもなら寝ているはずの深夜に、ガッツリメニューを食べるという不思議。
別に、無理に食べなくても良いはずなんですが、「ビーフにします?チキンにします?」みたいな質問をされて、思わず「チキンお願いします」と答えていました。
答えたからには食べなくては!

ご飯後は、先ほどの便で最後まで観れなかった映画の続きを観ていたのですが、気がつけば寝落ちしていました…
気が付いたのは、着陸5分前という状況に自分が1番ビックリしました。
食べた直後に寝落ちしてしまったせいか、お腹が重い・痛い・違和感ありまくりな状態での着陸となり、「深夜にご飯は食べるまい…」と固い誓いを結びました。

たくさんの親切な方々に感謝します

2024年は元日に震災が、翌日には飛行機事故が起きるという痛ましいスタートとなりましたが、それでもトラブルが起きたたくさんの場所で、誰かの助けとなってくれている方々がいることを実感しました。
私たち夫婦もそんな誰かの親切に助けられて、無事に3日には日本に帰国することができました。

英語がわからないというだけで、現地での説明が理解できません。誘導も指示も全く意味がわからないのは、本当に危険なんだなと思いました。
話せなくても、とりあえず聞き取れればどうにかはなります。けれど、自分の意思を伝える術を持たなければ、自分がやりたいことができません。どうしたいか問われても、それに答えられません。

そんな英語力が拙い私たち夫婦を助けてくださった、たくさんの方々に本当に感謝しています。
名前も聞かずに、お礼もそこそこで申し訳ありませんでした…その場限りの関わりだったかもしれませんが、本当に本当に助けてくださってありがとうございました。感謝の念に絶えません。

自分にもっと英語力があれば。英語だけでも一定の語学力があれば…と、今回の旅ではさらに強く思いました。

海外旅行で必ずしも、その国の言語が話せなければならないわけではありませんが、多少でも知識を持っておく、メモを残していつでも読み返せる状態にしておくくらいの危機管理は必要かなと、思った旅になりました。

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